⑴ 違約金は「平均的な損害」な損害に限られる
消費者契約法9条1項1号は必須の知識です。もし契約書に「違約金として代金の10パーセント相当額を請求することができる」などとあり、数百万円の違約金が生じる内容になっていても、「解除した時点」で、「当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの」を無効とします(消費者契約法9条1項1号)。
端的にいえば、材料発注も建築確認申請も未了の段階では、基本的に違約金として認められる金額はごく僅かです。既払いの頭金や契約金の大半について返金する結果にもなりえます。
[裁判例](工事請負契約を締結して約4月後に解除した事案)「本件契約が解除された時期は,被告が公図取得や敷地等の調査を行ったことが認められるのみの段階(時期)であ」る。「そうすると,・・・このような段階(時期)で解除された場合に被告に生じる平均的な損害として認め得るのは,前記④(※公図取得に要した費用)と⑥(※現地への交通費)と写真数枚に関する費用のほか,③の土地登記簿謄本1通の取得費用・・・のみである。」(東京地判平成18年6月12日)
⑵ 解除できないとする特約は無効
[裁判例](進学塾の受講契約の事案)「申込者からの解除時期を問わずに,申込者からの解除を一切許さないとして実質的に受講料又は受験料の全額を違約金として没収するに等しいような解除制限約定は,信義誠実の原則に反し,「民法第一条第二項に規定する基本原則に反して,消費者の利益を一方的に害する」ものというべきである。よって,・・・同特約は消費者契約法10条により無効であ」る。(東京地判平成15年11月10日)
工事請負契約についても同様に、解除できないとする特約(解除権放棄特約)は消費者契約法10条違反として無効になるといえます。
⑶ 「現状有姿だから知らない」では済まない
「現状有姿で引き渡す」と契約書に書いておけば何でも許されるというものではありません。売主を免責する意味合いではありません。
物件状況確認書などに記載されていない不具合については説明義務違反の問題となりますし、契約不適合責任も依然として負います。
⑷ 建築士法、宅地建物取引業法違反
ハウスメーカーや仲介業者は、建築士法、宅地建物取引業法をはじめとする規制法令に服しており、監督官庁から監視の目が及んでいます。
問題となる取引で、これらの規制法令に違反していないかを検討します。監督官庁に通報されて監督処分されるという事態は、業者にとって致命的ですから、違反事由を指摘すれば早期解決に繋がることが考えられます。
